慢性腎臓病は、早期発見を。
理事長 隈 博政
『慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)』という概念が、ここ数年、日本でも注目されて
います。 CKDとは、腎臓に障害が見られたり、腎機能が慢性的に低下することです。
現在、成人の8人に1人の割合で、このCKD患者がいると言われています。 腎臓の障害は、心筋梗塞
や脳卒中、心血管疾患といった血管障害の大きな要因でもあります。
この血管障害は人類の最大の死亡原因ですから、もしこのCKDであるならば、正しく付き合ってい
くことが必要です。
CKDになりやすい人の傾向は?また予防法は?
高齢者の方や高血圧や糖尿病、コレステロールや中性脂肪が高い方も注意した方がよいでしょう。
軽度のCKDでは自覚症状がないので、気になる方は尿検査を行なって下さい。健康診断などで尿タ
ンパクと言われた方は、ぜひ詳しい検査を受けることをお勧めします。
腎臓の働きを示す『GFR』という項目の値が、60ml/分/1.73㎡未満であれば、CKDです。しかし、
段階があるので、まずは自分の腎臓の状態を知ることから始めましょう。
もしCKDであったとしても、軽度であれば食塩を控えるなどの食事や生活習慣の改善と投薬でCKD
の進行を遅らせることが可能です。高血圧の治療や、エリスロポエチンによる腎性貧血の治療もま
た、CKDの進行を遅らせます。